基礎知識

リフトを快適に活用するための考え方やヒント、具体的な活用方法などを、介護や福祉用具の専門的な知識がない方にも、わかりやすく解説します。リフトに関する正しい理解を深めて業務の参考にしてください。

リフトの分類

天井走行リフト

走行用のレールを天井に固定し、電動または手動で昇降操作するリフト。走行も電動または手動で操作する。

POINT レールを固定するために家屋の工事が必要となります。

床走行式リフト

使用者を持ち上げ、床面を自由に動かして他の場所に移乗又は移動させるキャスターなどのついたリフト。

POINT 床走行式はリフトを固定しませんので取付工事などが不要で、多くの場所で簡易に使用することができます。

ベッド固定式リフト

予め設定されたベッドに固定され、その場所で持ち上げ、移乗させ、動かすリフト。電動で昇降操作する。

POINT 特定の場所で使用するときに便利です。介助者は少ない力でリフトを動かすことができます。

据置式線レール型リフト

予め設定された場所で走行用のレールを固定し、持ち上げ、移乗させ、動かすリフト。機器や壁面、天井、床などに固定されるリフト。

POINT 昇降動作はレールの下で行いますので、移乗位置の真上にレールを固定します。

据置式面レール型リフト

部屋の四隅に柱を設けて2本の横行レールを支え、そのレールにリフト本体が走行するレールを吊り下げたもの。電動で昇降操作するリフト。

POINT 4本の柱の範囲内で移動できますので、自由度が高く便利です。

浴室用リフト

浴室に設置して使用するリフト。天井走行リフトを除く。全体を固定して使用する専用型と、本体一部を持ち運んで複数場所で使用できるポータブル型とがある。

POINT リフトの構造はいろいろな種類があり、容易に設置できます。

スタンディングリフト

膝の前方への屈曲を押さえ、臀部あるいは腋下を支えて持ち上げ、キャスターにより移動させる移乗介助機器。

POINT 取付工事などが不要で、簡易に使用でき、運搬も可能である。

吊り具の分類

脚分離型ローバック交差式吊具

坐骨部を除き、尾骨から骨盤、大腿部を覆うような形で敷き込み吊り上げるもの。脚部のストラップは左右で分離されており、前で交差させるのが特徴。

POINT 身体状況に応じ、頭部のサポートを必要としない場合に使用します。

脚分離型4点式ハイバック交差式吊具

坐骨部を除き、尾骨から骨盤、大腿部を覆うような形で敷き込み吊り上げるもの。脚部のストラップは左右で分離されており、前で交差させるのが特徴。

POINT 身体状況に応じ、頭部のサポートを必要とする場合に使用します。

シート型吊具

一枚の布状のもので、臀部も覆って吊り上げるもの。敷き込みは、体位交換の要領で行うか、常に敷き込んでおく方法が取られる。

POINT 特に股関節に障害のある方、筋肉のコントロールができない方が対象となります。

ベルト型吊具

複数のベルト状のもので、一般的には背と大腿部で支持することで吊り上げるもの。

POINT 筋肉のコントロールがある程度できる方が対象となります。特に脇に力を入れ、上肢を支えられる方に向いています。

トイレ用吊具

脚分離型の臀部の覆いを小さくしたもので、脚部のストラップは左右で分離されており、前で交差させる。

POINT トイレ用は臀部が大きく開いていますので、上肢のコントロールがうまくできない方は、追加のベルトをつける必要があります。